絶滅の危機に!?
 
ジンベイザメは、IUCN(国際自然保護連合)が2000年に作成したレッドリスト(絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト)で絶滅危惧U類に分類され、最新の2004年版にも載っている。これは、現在絶滅の恐れはないがもし今現在の生息環境が変わらなければ近年絶滅の危機に瀕する、ということである。

 
ジンベイザメをとりまく危険
 
捕獲と売買

ジンベイザメにとって最大の敵は人間である。ジンベイザメの美しい体型は多くの人を魅了し、その結果、国際貿易での価値が上がり、その大人しい性格と水面の近くを泳ぐ特性を逆手に取っての捕獲が相次いでいる。インドでは1999年から2000年にかけて1,000匹近くのジンベイザメが漁業によって殺されていることが分かっている。また、高級食材のフカヒレなどが採れることから、中国、台湾、香港などで多く捕獲されている。

環境破壊

娯楽や商業目的の魚の乱獲や海水汚染、地球温暖化などによる環境の変化がジンベイザメのえさとなる小魚の減少の原因となっている。ニンガルーリーフでは、現時点ではほとんどの珊瑚礁がそのまま残っているが、近年の魚の乱獲によりレイシガイダマシ類のサンゴ食貝が数を増やし、珊瑚礁に害を与えていて、これにより珊瑚礁に生態系をゆだねている小魚が減少しているといわれている。このまま珊瑚礁へのダメージが広がると、ジンベイザメが回遊ルートを変更する可能性がある。
海の中での危険

ジンベイザメが1番危険にさらされやすいのは、十分な大きさになる前の段階である。大人のジンベイザメは自己防衛のために背中の表皮の厚さが平均で12cm〜15cmになり、外敵からの攻撃を受けにくいが、皮の厚さが不完全で小柄な幼いジンベイザメはクロカワカジキやヨシキリザメに食べられることがある。しかし近年、メキシコ近辺で大人のジンベイザメがシャチに殺されていたという報告も確認されている。

音による障害

ジンベイザメは音を使いコミュニケーションをとらないが、10〜800ヘルスの音を感知できることが確認されている。正確な情報はないが、ツーリズムや商業漁業などで使うボートの騒音により回遊ルートを間違え、迷ってしまう可能性も考えられている。

ジンベイザメの生態はまだまだはっきりしていないので、この他にも危険な要因がある可能性が十分にある。

 
ジンベイザメの保護へ

 ジンベイザメは2002年にワシントン条約(CITES、絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)の「付属書2」に登録され、ジンベイザメの輸出は輸出国の正式な文書がなければできないようになった。これによって、世界規模での貿易目的の捕獲がなくなることが期待されている。また、同年にボン条約(CMS、移動性野生動物種の保全に関する条約)で、ジンベイザメは国際協力の元で保護される必要があることが決まった。
 西オーストラリアでは、1994年のFish Resources Management Act、1996年の野生生物保存法と州政府自然保護・国土保全部(CALM)の法令によってジンベイザメの全面的保護を行っている。1999年にはCommonwealth Environment Protection and Biodiversity Conservation(EPBC)Actでオーストラリアの全州、そしてイギリス連邦各国の水域でジンベイザメが保護されるようになった。このような国際条約は国単位での意識を高めることになり、アメリカの特定の水域やフィリピン、インドなど約100のジンベエザメが訪れるとされる国が保護に携わるようになった。
 またECOCEAN(自然保護NPO)ではWhale Shark Projectでジンベイザメのデータを集めており、不明な点が多いジンベイザメの生態の実態を掴もうとしている。
 このような精力的な保護活動の結果、ジンベイザメの捕獲数は減少している。しかし、生態調査でタグを付けられたジンベイザメがインドネシアで食用として獲られたことが分かっており、まだまだ違法な捕獲が行われているのは事実である。様々な法令が実施されている今、ジンベイザメの絶滅を防ぐのは世界中の人々のモラル向上が鍵といえる。
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