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パースエクスプレスVol.199 2014年8月号

●「親友の分まで生きたい」 谷川 幸太さんのある日

幼稚園から小、中学校と一緒だった。中学時代の部活も一緒で、ほぼ毎日顔を合わせていた。家も近所だった。高校は別の学校へ進むも、塾は一緒だった。そして、大学はまた一緒になった。その親友が、事故で2012年の8月に他界した。生前、その親友が誕生日占いで「将来、お前は海外に出ことになるよ」と言っていたことがあったが、その言葉通り、大学を休学してパースに来た谷川さん。小さい頃から英語や異文化に興味があったが、今回の渡豪にはもう一つの目的があった。それは、その親友の母親が親友について綴った一冊の本を、メルボルンにいるその親友の友人に手渡すことだった。現在、メルボルンへの旅費も貯めながら、パースで仕事にはげむ谷川さんの1日を紹介します。
野村 奈穂さん
谷川 幸太さん
(たにかわ こうた)
21歳

【日本からの想いを届ける】 「年が明けたらメルボルンへ行き、この本を届けに行きます」と話す谷川さん。日本での交換留学プログラムがきっかけで、親友はオーストラリ人と知り合った。現在、そのオーストラリア人は帰国してメルボルンにいるが、谷川さんがオーストラリア行きを決めると、その親友の母親より「この本を渡して欲しい」との想いを託された。 左から谷川さん、塾の職員、親友
高校生3年生の時に通っていた塾で。左から谷川さん、塾の職員、親友。

ダイビングの事故で他界した親友の母親が、自身の息子について書いた本 ダイビングの事故で他界した親友の母親が、自身の息子について書いた本
ダイビングの事故で他界した親友の母親が、自身の息子について書いた本。この本をメルボルンにいる親友の友人に届ける。



ベランダで朝の澄み切った空気と共にコーヒーを飲む
8:15am
その親友の父親が経営するお茶専門店からのお茶を、時間があれば朝昼晩と飲む谷川さん。
お茶専門店からのお茶を、時間があれば朝昼晩と飲む谷川さん
9:00am
家を出て駅に向かう。出勤は電車を利用。

仕事先はメキシカン料理のお店
9:50am
仕事先はメキシカン料理のお店。仕事探しは本当に苦労した。「せっかくオーストラリアにいるんだからローカルのお店で働きたい」と思い、80通以上もの履歴書を配り歩いた。
オープンキッチンで具材を用意したり、キチンハンドの仕事をこなす
10:00am
オープンキッチンで具材を用意したり、キチンハンドの仕事をこなす。「日本ではよほどの事がない限り首になるということはいと思います。ただ、ここでは違います。仕事ができなければ簡単に首になります。そうならないためにも、ミスをしたら二度と繰り返さないように心掛けています」

仕事場で、日本人は自分ひとり
2:00pm
仕事場で、日本人は自分ひとり。この望んでいた環境で、「オーストラリアの文化や仕事の習慣も学びたい」と話す谷川さん。
自炊する谷川さん
4:00pm
自炊する谷川さん。便利な日本での生活から離れ、自分で何でもトライしていることは、自身の成長に繋がっていると実感している。

いろいろな国から来た友達と楽しい時間を過ごす
6:30pm
限られた期間のオーストラリア滞在。語学力向上のためにも、いろいろな国から来た友達と楽しい時間を過ごす。写真の友達は、出身地が全員異なる。
自炊する谷川さん
11:30pm
メルボルンに行った後は、日本の大学に復学する谷川さん。「パースに来て、語学や文化などいろいろと学んでいます。日本ではどこかで受身だった自分がいましたが、今は自分から行動するといった意識がもてるようになりました。これからはそんな自分と、そして親友の分まで生きたいと思っています」と話す谷川さんの1日でした。