パースエクスプレス Vol.196 2014年5月号
昨年の10月から約6ヶ月に渡り、全27試合のリーグ戦は終了した。グローリーにとっての2013‐14シーズンは、不甲斐ない結果を残すものとなってしまった。(写真:Ryo Kuramochi)
既にファイナルシリーズの出場権を失っているグローリーに対して、引き分け以上が絶対条件だったSydney FCは序盤から攻勢をしかける。そして、4月28日に退団の発表がなされたSydney FC の10番、Alessandro Del Pieroを起点として、グローリーの拙い守備にも助けられ先制点が生まれる。だが、前半のアディショナルタイムにグローリーの背番号5番、Rostyn GriffithsがCKからのボールを押し込み試合は振り出しに。しかし、こちらも後半のアディショナルタイムにパース出身の背番号11番、Richard Garciaが決勝点を決め、1‐2でSydney FCが勝利をもぎ取り、リーグの最終結果を5位とした。一方、グローリーは勝ち点28のリーグ8位にて2013‐14シーズンを終えた。
Aリーグ加盟2シーズン目のWestern Sydney Wanderersの初優勝に注目が集まる中、レギュラーシーズン1位、ファイナルシリーズ・チャンピオンともに最多タイを誇るBrisbane Roarが、きっちり結果を残したシーズンとなった。
グランドファイナルは、昨シーズンのセミファイナル1と同じ顔合わせとなった。過去3シーズンで2度のチャンピンを獲得しているBrisbane Roarに対して、昨シーズンのAリーグ加盟初年度にリーグ1位、ファイナルシリーズではグランドファイナルで惜しくも涙を飲んだWestern Sydney Wanderersとの一戦となった。昨シーズンのセミファイナルではWanderersが2‐0と勝利しているものの、今シーズンの直接対決では1勝2引分とRoarに分があった。試合はお互いにスローなテンポで進められ、Wanderersは背番号21番の小野伸二を中心に攻撃を組み立て、一方、Roarは背番号22番のThomas Broichの惜しいシュートで応戦するも、共に決定的なシーンもなく、前半を終えた。そして迎えた後半10分、小野からのCKに背番号13番のMatthew Spiranovicがヘディングシュートでネットを揺らす。そして、Wanderersの初優勝が目前となった試合終了5分前、BroichのFKに背番号7番のBesart Berishaが頭で押し込み、同点にする。試合は90分間で決着つかず、延長戦へ。そして、延長後半、2011‐12シーズンにも得点やPKの最後のキッカーとして活躍したRoarの背番号10番、Henriqueが足元に流れてきたパスをゴール正面から叩き込み、試合を決めた。今シーズンこそと願った悲願の優勝は、またしてもWanderersのファンに届けられることはなかった。
Aリーグ2013‐14シーズンの個人賞が発表となり、最優秀選手賞(ジョニー・ウォーレン・メダル)はBrisbane RoarのMF、Thomas Broich選手が獲得した。同選手は2011‐12シーズンにも受賞しており、今回で2回目。また、グランドファイナルで活躍した選手に贈られるジョー・マーストン・メダルも同選手が受賞している。そして、シーズン得点王は16得点でNewcastle JetsのFW、Adam Taggart選手が獲得。最優秀若手選手賞も受賞しており、ダブル受賞。Taggart選手はパース生まれのパース育ちで、2010年から2シーズン、Perth Gloryに在籍していた過去をもつ。
パースグローリー・クラブ年間表彰式にて2013‐14シーズンの最優秀選手賞は、Michael Thwaite選手に贈られた。選手が選ぶ年間優秀賞は、Jリーグのベガルタ仙台にシーズン途中に移籍したGKのDaniel Vukovic選手、若手優秀選手賞はFWのChris Harold選手、シーズンチーム得点王は、共に4得点したFWのShane Smeltz選手とMFのSteven McGarry選手が獲得した。また、最も印象的だったゴールに贈られるゴール・オブ・ザ・イヤーは、Wellington Phoenix戦(Round 9)のFW、Sidnei Sciola Moraes選手のゴールが選ばれた。
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