「『デジカメ』一考」

 「 [・・・] 前回、イラクから帰って心から思ったけど、やっぱり平和というのはいいものです。日本で満開の桜を見て、それを楽しむ人たちを見るだけで、涙が出そうでした。ありがたいことだな、と。できれば世界中の誰もがこの幸せを感じられればと思うのだけど。自分にできることといえば、目の前で起こっていることをなんとか伝えることと、こうして心ある人にメール書くことくらいです。」

友人から先日、個人的に録画していたテレビ番組(『フリー映像ジャーナリストたちの記録』NHK・ETV特集)を借りた。番組の中で、多くのジャーナリスト達は、現場で取材することの意義やそれを日本で報告することの大切さを語っていた。私はその中で特に、2004年にイラクで殺害された、故小川功太郎さんの残したメモの中身を読み上げる部分がなぜか印象に残った。


 番組中のその箇所は、少々大袈裟気味に、桜の花びらが舞う中を人々が花見をしている様子をソフトフォーカスで表現していた。視聴者に心情的なイメージを押しつけ過ぎて、ちょっとやり過ぎかな、とも思った。
 だが、小川さんのメモを読み上げられるにつれ、私自身が過去、ジャングル戦を続けるゲリラに従軍し、心身共にヘトヘトになって町に降りてきたことを思い起こさせた。

 

This site is developed and maintained by The Perth Express. A.B.N. 31 058 608 281
Copyright (c) The Perth Express. All Reserved