Japan Australia Information Link Media パースエクスプレス

フォトジャーナリスト宇田有三氏による衝撃ルポ

On The Road by.Yuzo Uda

Vol.201/2014/10


「抗いの彷徨(9)—下」



ビルマ国軍の基地を見張るKNLA(KNU)の兵士たち

自陣の支配する山頂に陣取ったKNLA(KNU)の兵士たちが、対峙する山向こうのビルマ国軍の基地を見張る(カレン州、ビルマ/ミャンマー)。

 ビルマ(ミャンマー)国軍とゲリラとの戦闘が続く最後の山行きは、今から14年前、2000年から2001年にかけてだった。その時期、どうしても戦争の最前線に足を運ぶ必要があった。

 私はひとり想像していた—2000年から2001年へと年に越すにあたって、その年の境は特別になるだろう。西暦だけど、20世紀から21世紀になる新しい世紀への幕開けなのだから、と。第一次世界大戦や第二次世界大戦を経た20世紀を終わるにあたって、いくつかのメディアは評するだろう、「20世紀は戦争の世紀」だったと。

 しかし、である。当時、ひとつの国の中で続いていた世界で最も長い内戦は、ビルマ国内で続いていたカレン民族(カレン民族同盟:KNUの軍組織:KNLA)の武装抵抗闘争であった。だが、東南アジアの片隅で、しかも山奥でのゲリラ戦を取り上げるメディアは皆無だろうとも想像していた。ならば、その戦闘の現場に足を運んで、自分の目で世紀をまたぐ現実を見てやろう、硝煙の中で続いてきたカレン人の生活を記録してやろうと意気込んでいた。

 

 拙著『閉ざされた国 ビルマ』(高文研、2010年)に当時の記録がある。