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[第12節] リベンジのために

今回でこの連載も12回目を迎え、スタートしてちょうど1年が経とうとしている。冒頭の「パースにいる石田博行ではなく、サッカー選手の石田博行」をテーマに毎月掲載してきた。その石田博行は、今、マレーシアにいる。

 3月10日、マレーシアに飛んだ石田には見据えるものがあった。所属チームであるパース・グローリーの公式ホームページで、別の選手が他のチームに貸し出されることを伝える記事の最後に、あたかも付け加えられたかのように石田のことが書かれていた。内容は「昨シーズンは、けがなどの理由によってスタメンが6試合しかなく、石田が望んでいたシーズンとはならなかった。フィットネスのレベルを上げ、来シーズンに備えるためにマレーシアのJohor FAで2ヶ月プレーすることを容認」だった。
 石田にとってAリーグ初年度、そしてパース・グローリー移籍初年度は、決して納得のいくシーズンではなかった。いつでも向上を最優先に掲げている石田にとって、むしろ屈辱の1年だったのかもしれない。だから、オフシーズンと言えども、無駄な時間は過ごせない。自分を追い込み、次へのステップを探求する。そのために、マレーシアに行くことを決断した。