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パースエクスプレスVol.141 2009年10月号

 『ラッキーカントリー』と呼ばれるオーストラリアだが、その言葉の由来はこの国の地下資源の豊富さからだった。鉄鉱石をはじめ、最近ではウラン採掘も西オーストラリア(WA)州で始まり、世界から注目を浴びているが、この度、同州内で、オーストラリア国内で過去最大規模となるLNG(液化天然ガス)田の開発プロジェクトが実施されることとなった。この巨大プロジェクトにより、国内、特にWA州内に及ぼす経済効果は計り知れないという。今回は、この巨大プロジェクトが一体どんなものなのかを探ってみよう。

 WA州の北西部海岸沖のバロー島付近に、ゴーゴンLNGと呼ばれる約40兆立方フィートもの液化天然ガス田が確認されており、この開発をシェブロン・オーストラリアとエクソン・モービル、シェルの3社が合弁で手がけることとなった。開発の第一段階で、約430億豪ドル(3兆4千4百億円)のコストが見積もられている。オーストラリアのケビン・ラッド首相はこの開発に対し、「ゴーゴンLNGの開発はオーストラリア過去最大規模であり、3千億豪ドル(24兆円)の輸出収益を生み出すだろう(9月14日、The Sunday Times、online)」といったコメントを出した。2014年からLNGの輸出開始が予定されているこのプロジェクトは、以後数十年にわたり、日本、中国、インド、韓国にLNGが供給される契約も既になされており、オーストラリアの輸出に拍車が掛かった。更に、このプロジェクトの最盛期には、約1万人に及ぶ雇用が発生するため、国内各地域から職を求める人々が殺到すると予想されている。WA州のコリン・バーネット首相は、ゴーゴン開発プロジェクトで、WA州の経済は今後30年以上、上昇し続けると見込んでいる。WA州の経済界は、これから始まるお祭りの準備中といったところかもしれない。

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