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あなたの言いたいこと

Vol.193/2014/02

今号は、「父の思い」や「父について」の投稿です。

「がんばれ、息子よ!」


 子どものキンダーガーデン(幼稚園)が始まりました。それまでは、デイケア(保育園)に週に1日預けていましたが、キンダーガーデンは週3日となります。遊びに行っていたデイケアとは違い、学習要素がもっと加わるキンダーガーデンで、英語がほとんど分かっていない息子は、クラスについていけるのかと、年が明けた頃から妻と2人でずっと心配していました。
 2月3日の初登園日。妻と2人で息子をキンダーガーデンへ送り届けました。まずは、制服を着ている息子を誇りに思い、ここまでの成長に感謝しました。そして、息子と手を繋いで教室に入り、初対面の見知らぬクラスメートたちを前にして、耳元で「行ってらっしゃい」と声をかけ、手を離しました。
 私たち夫婦は教室から外に出て、窓越しに息子の行動を見守りました。すると、ひとりのクラスメートが息子に何か話し掛けました。ただ、息子は何の反応も返せず、下を向いて教室の端へ行き、モジモジし始めたのです。その時、なんとも言えない切ない思いと、居ても立ってもいられない気持ちが込み上げました。ただ、ここでまた教室に戻り、息子に声をかけるのは決して息子のためにはならないと思い、後ろ髪を引かれる思いで、泣く泣くその場を離れました。
 「親なら誰でも経験することだ」というのも分かります。「子どもは環境に即座に順応できる」ことも理解できます。「言葉の問題も直ぐに解決」するんだろうと想像できます。ただ、あの息子の行動や仕草を思い出すと、今でも胸が締め付けられる思いがします。何もしてやれないけど「がんばれ、息子よ!」

<投稿者>山口 33歳 男性



「父」


 父が53歳の時、自分が生まれました。今年で自分は23歳になるので、日本にいる父は76歳になります。
 小学生の時、父と一緒に公園で遊んだ記憶がありません。父と一緒に全力でかけっこした記憶もありません。父と一緒にボール遊びした記憶もありません。父が元気よく飛び回っている姿も見たことがありません。父がはしゃいでいるのも見たことがありません。父がふざけているのも見たことがありません。
 経済的に余裕があったのか、いろいろと買い与えられ、またいろいろと経験もさせてもらいました。それと、怒られたことが一度もありません。可愛がられて育ちました。
 先日、友人と公園でBBQをしている時、子ども連れの家族が、公園の端から端までボールを追い回し、お父さんらしき人が子どもを担ぎ上げ、飛び回っていました。冗談を言いながらふざけ合いっこし、子どもたちはおおはしゃぎでした。そんな中、兄弟げんかが始まり、お兄ちゃんはお父さんにこっ酷く叱られていました。
 一般的な家族のようでした。乗り付けている車も、どちらかというとかなり年式が古そうなもので、身なりもそこまで小奇麗ではなかったです。
でも、僕にもっていないものをあの家族は全て持っているように思えたんです。そう思った途端、涙が頬をつたいました。

<投稿者>TB 23歳 男性