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ドロップアウトの達人 Vol. 64
 

 「地球以外の高度な生命体からの信号を受信か!」

オリンピックで盛り上がっていた今年8月の終わりに、ベネズエラの天文台からこんな発表がありました。気がつかなかった人のために、少し説明を加えておくと、今年3月からおうし座の近くで発生している信号?について慎重に検証した結果、高度の文明が何らかの目的で情報を投げている確率が高いという内容でした。

宇宙空間での究極のコミュニケーションシステムには、原子番号1番の水素を使うことが不可欠だそうで(物質中で一番軽い気体元素)、今回の交信?にはその水素が使われていたこと、また、合計3回の信号が送られてきたことから、新星などの誕生時に偶発的に飛ばされる信号とは違うように見受けられること、などの理由から、今回の信号については、地球人よりもはるかに高度な文明が存在することをNASAも認めざるを得なかったようでした(我々の文明ではまだそこまでの技術を持ち合わせていないのだそうです)。

ただし、その発信場所は、地球から何億光年とか離れている場所だそうで、我々が生きているうちに信号を送り返したとしても、何百年も先に届くといったような話ですので、例え本当に生き物がいたとしても「こうなったら、そのうち円盤が飛んでくるんじゃないか!」という話にはほど遠いようなのですが。それでも、僕はこういうニュースにとても興味を覚えてしまいます。

以前友人がBMWを買った話でも触れましたが、今、宇宙人が地球にやってきたとして、空からBMWやトヨタカローラを眺めたとしたら、どちらもすごく遅れた文明の機械として以外、彼らの目には映らない気がするのです(走れば走るほど大気を汚染するし、運転手がヘマをしたらどちらも事故につながってしまう点などで)。でも、僕たちは人間です。その不完全な乗り物の中にも、BMWのような高いものがあり、カローラのような安いものがある。その分かれ目は、極論してしまえば、“わびさび”の世界と同じようなものなのではないでしょうか?(まあ、高級ブランドと名の付くバッグに何十万円も払うことと似ています)

ちょっと話がそれてしまいましたが、何を申し上げたかったのかというと、前述の水素で交信できるような宇宙人の目で見たら、車は車でしかなく、高級ブランドのバッグも物を入れて運ぶただの袋という点で、我々が考えているほどの違いは見出せないということなのです。その宇宙人の視点で物事を、もう一度眺め直してみる、そこに社会の中で暮らしながらも自分という命をきちんと見つめて、大切に毎日を過ごしていく、“何かに所属しながらも自分を見失わない”という生き方に通じるヒントがあるように思えます。

この質問の男性ではありませんが、海外で暮らすということは少なくとも自分が生まれ育った街でずっと暮らしているということよりも、外から物事を眺めているという点で宇宙人的な視点に似ていると思います。そんな中で、すれ違う日本人、街角で地図を広げて佇ずんでいる日本人を見るにつけ、「一言声を掛けてあげたい」と思ってしまう、できればこの街の人のように「親切を上手に表現できる人」になりたいと思ってしまうあなたがいるのです。

僕自身も以前パースで日本人の女性が心細そうに地図を広げていたので「どうしたのですか?」と声を掛けたところ、もろにナンパと間違えられて、逃げられてしまいました(別に捕まえようとして声を掛けたわけではありませんでしたから、その女性がそそくさと立ち去ること自体を残念とは思いませんでしたが)。そして、英語を話すこの国の人達のように「ARE YOU OKAY?」のような会話ひとつが、実は日本語ではとても難しいという事実を、思い知らされたのでした(例えばアウトバックで道に迷っていて「大丈夫?」と声を掛ければ、大抵の人はナンパとは取らないと思います)。

でも、ここで大切なのは、あなたがすでに気がついた「こちらの人のようにさらりといい人になれる」ことを、実行することなのです。たとえ相手がナンパと取ろうとも、いいことはいいことじゃないですか。「DO THE RIGHT THING」。きっと国際人としての第一歩って、こんな些細なことから始まるのでしょう。そうやってどんどん視野が広くなって、もっともっと宇宙人の視点で身の回りのことを眺めることができるようになると、きっとあなたという人は周りに縛られない、物事の本質を見つめるような、個性的で魅力的な人になっているのではないでしょうか?そして、そういう男には必ずいい女がつくものなのです(いい男でもいいですが)。

結論、「街で困っている日本人に声を掛ける“道”は、美人の彼女(彼氏でもいいです)をGETする道に通じる」。えっ、そんな不純な動機で聞いていないって? まあこれに懲りずにまたお手紙ください。

回答ZORRO

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