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デュアルライフ&スイマーが 世界の頂点を狙う

デュアルライフ&スイマーが 世界の頂点を狙う by平井康翔

Vol.212/2015/09

デュアル・ライフ&スイマーが 世界の頂点を狙う


オーストラリアと日本。競泳とOWS。デュアル・ライフ&スイマーの平井選手の2016年ブラジル・リオデジャネイロ・オリンピックへの道をお届けしてきたこのコーナー。今回で最後となってしまいましたが、平井選手の活躍には今後も目が離せません。


第4回

「夢を叶えて次のステップへ」

 7月27日、ロシアのカザンで行われた水泳の世界選手権。10位以内で2016年のブラジル・リオデジャネイロ・オリンピックの出場枠が獲得できるという条件のもと、オープンウォーター・スイミング(OWS)日本代表の平井康翔選手は、1周2.5kmの周回コースで行われたOWSの男子10kmに出場した。
 レース前半の5km時点では、集団後方を泳ぐ平井選手だったが、3周目で22位に浮上。残り1kmを切ったところで勝負をかけ、10位争いを繰り広げた。そして、ゴール前で最後まで粘るも10位に遅れること5秒差でゴール。惜しくも11位となり、今大会でのオリンピックの出場枠は獲得できなかった。レース後に「タッチしても順位は分からなくて、ギリギリ枠に入れたと思っていました。悔しいですけど、自分の力は出し切れたと思います。パック(集団)で激しい削り合いもありましたし、今まででいちばんタフなレースでした。ここで11位というのも、何かの縁。ここまでこれたら、来年6月の最終予選では自信を持って五輪を決められると思いますので、また気持ちを切り替えて頑張ります(※1の本文から抜粋)」とコメントを残し、リベンジを誓った。
 そして明くる日、更新された平井選手のブログでは、泳いでいた外側から内側に入ってゴールを目指したことが敗因と分析し、また競技中、体調不良で途中棄権が頭をよぎるも、とっさの判断と策で回復したことなどが彼の言葉で綴られた。そして、最後に「11番という結果の意味をこれから1年間、日々自分に問いただして明日から夢を叶える為に生きていきたいです。本当に皆さん応援どうもありがとうございました。僕は必ずもっと強くなってくるので、僕が泳ぎ続ける限り、見守っていてください。お願いします。(※2の本文から抜粋)」と締めくくった。

 そして8月22日、2016年のオリンピック開催地であるリオデジャネイロで、五輪のテスト大会(Aquece Rio)が開催され、OWSの競技も行なわれた。水温が20度以下という状況に加えて、波も高いという厳しい条件の中、参加者の半数以上が途中棄権。そんな状況でも平井選手は終始先頭集団の4〜5番をキープし続け、最後の1周でスパートをかけた。1位の選手と白熱した競り合いを見せるが、0.5秒というわずかなタッチの差で2位となった。優勝は逃したものの、表彰台の上に立った平井選手は24日の自身のツイッターで「表彰台の上は格別に気持ちが良かったです。 国を背負い、いろんな人に支えられ応援されて、今を一生懸命生きれる事が幸せです。来年必ず夢を叶えて次のステップに進みたいです。(※3の本文から抜粋)」と、揺るぎない目標を吐露した。その目標は“世界の頂点を狙う”ことに他ならないだろう。


当コーナーは、今号で最終回とさせて頂きます。今までご愛読頂き有り難うございました。平井選手の今後の活躍は、平井選手のオフィシャルウェブサイトやSNSにてご覧頂き、引き続きの応援、宜しくお願い致します。パースエクスプレス編集部

ロシアのカザンで行われた水泳の世界選手権での平井選手。

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©Yasunari Hirai Blog

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©日本水泳連盟


五輪のテスト大会(Aquece Rio)で見事2位となる平井選手。

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©Yasunari Hirai Blog

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©日本水泳連盟