香港・カードゲーム詐欺事件
被害者:匿名希望・21歳・ワーホリ
被害:カードゲーム詐欺、現金50万円



オーストラリアで1年間のワーホリを終えて、日本帰国前に観光していこうと香港滞在2日目。朝8時からガイドブックを片手に観光名所を一人で歩き回り、2階建てバスのターミナルの前でタイ人の女性に「写真を撮って」と声をかけられた。彼女は日本語で「ありがとう」と言い、それがきっかけで近くのカフェで話をすることになる。約1時間、自分の国、家族、仕事のことなどを話し、一緒に観光をすることになった。
そこで、そのタイ人の女性は「観光の前に、近くの私の泊まっているホテルに荷物を置きたい」と言い、私は疑いもせず彼女のホテルまでついて行った。しかし、着いた先はホテルとも呼べない怪しさが漂うビルの1室。「ここで待ってるから荷物を置いてきたら?」と提案するが、「私の部屋に伯父さんがいるからあいさつだけでもしてほしい」と言い、私を部屋の中に入れた。確かに中には伯父さんがいたが、唐突にも「絶対にカジノで負けないやり方があるから教えてやる」と言いはじめた。「私は今日しか香港観光ができないから、カードゲームなんかしている暇はない」と言葉強く言い放ったが、部屋のカギは自分では開けることができず、すでに閉じ込められた状態になっていた。伯父さんは「5分だけだから」とゲームの説明を始め、いつのまにやって来た男性、伯父さん、女性の3人がカードゲームを始めた。しかし女性と伯父さんはゲームに負け始め、あっという間に莫大な額の掛け金をブルネイの男性に取られてしまった。
すると、急に女性と伯父さんが部屋の奥にあるトイレへ私を連れて行き、声を荒げて「お前もこの部屋にいたんだから金を払え!今すぐ払うか、お前をマカオに売る。それとも保険の証明書を置いて今すぐこの場で死ぬかどれかにしろ!」と言い出した。そして、私の首に手をかけた。「お金はない」と恐怖心を振り払って言うと、女性が「この子、キャッシュカードを持ってる」と伯父さんに言い、部屋から出てATMマシンの前に連れて行かれた。私は、とりあえずビルの外に出ることができ、後はどうにかなると思いながら、ATMでもわざと暗証番号を間違え、カードを使えなくした。「カードは使えない」というと、腕をガッチリつかまれ、地下鉄に乗せられ、怪しげなジュエリーショップに連れて行かれた。
店員とその伯父さん、女性が何かを広東語で話している隙に、やっとのこと店から逃げ出し、自分の泊まっているホテルに逃げ帰った。しかし、カバンの中を見てみるとカバンの外ポケットが開きっぱなしになっていて、クレジットカードが盗まれていた。すぐさまカード会社に連絡をして調べると、約50万円引き出されていることが分かる。トイレで殺されかかった時か、もしくは地下鉄の込み合った中で盗まれたのだろう。
   
 
常識で考えてみましょう。旅先で知り合っただけの友達に一体どれだけの信頼をおけるというのでしょう。とくにこのような状況では、知らない人を信じてはいけません。例えば、貴方がオーストラリアで知らない人にいきなり声をかけられて、家においでといわれたとして果たしてついていくのかどうか…。
 
知らない人がやたらと声をかけてきたり、どこかへ誘おうとする時は、まず疑ってみる。
言葉では巧みに交わされるので強引にその場から逃げる。
海外旅行傷害保険は、もしものために加入しておくことを勧めるが、必要な書類など予め知っておく必要がある。
現金の所持はもちろんのこと、クレジットカードも必要最小限に携行する。
旅先では、自分が今どこにいるのかを携帯用の地図でまめに確認することをオススメする。

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