「異国に生まれ育って」 —あるカレン難民女性の生活(1)—

 数百キロに及ぶタイ・ビルマ(ミャンマー)国境には、およそ10箇所のカレン人難民キャンプが点在する。そこには、半世紀以上に及ぶ内戦やビルマ政府軍による迫害から逃れてきた約10万人のカレン人が不自由な生活を強いられている。
 カレンの取材を始めて今年で8年目。これまで、戦闘の続く最前線に足を運んだり、時にはタイ国境警察の目を盗んでキャンプ内に寝泊まりすることもあった。
 難民キャンプには、自治権獲得のため徹底抗戦を続けるカレン民族同盟(KNU)の支持者もいれば、長期にわたる戦争のため、単純にもう戦争はイヤだという者もいる。

また、祖国への帰還を夢みる旧世代もいれば、タイ側の難民キャンプで生まれ育ち、ビルマに対してそれほど愛着を持っていない若い世代もいる。
北の難民キャンプで知り合ったカレン女性 タエポー(23歳)もそんな若い世代に属する一人であった。彼女を通して感じた、カレンの「抵抗闘争」の一側面を考えてみたい。

 


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