パースエクスプレスVol.132 2009年1月号

しかし、これは裏を返せば魚を獲り過ぎるな、ということなんだろうか。まぁ、鮫だって餌を探して泳ぎ回り、たまたま餌の匂いのする人間に近づいてしまったんだろうな。ホオジロ鮫のような巨大な生き物に対して美と威厳を感じ、過剰に保護をするが、人間に危害を加え、増え過ぎたら殺してもいいのか、という考えだ。今度は法律を変えて、何十匹かまでは駆除できるようにするのだろうか。  ところで、日本でも鮫による人的被害は主に九州以南の温暖な海域で年に1件くらいの割合で報告されているが、漁業における被害額(年間6千万円以上)が特に問題視されている。具体策は特にないようだが、鮫の生態を深く知ることから始めていくということだ。漁業関係者にとって鮫は仕事の邪魔者でしかないのだろうか。  今後、西オーストラリア州政府は何らかの科学的な方法で海水浴客を鮫から保護するようだが、最も大切なことは自分自身の行動に責任を持ち、監視されている区域で常に周りに注意しながら泳ぐことだという。まあ、鮫が頻繁に出現するような時には無理に泳がなければいいし、泳ぐにしても海岸からあまり離れないようにした方がいい。もっとも、鮫に襲われるより、溺れる確率の方が遥かに高いから、泳ぐ前にまずは鮫よりも自分の体調や体力を考えるべきだろうな。

<筆者のプロフィール>
東京生まれの元祖ワーホリ。日本企業のエンジニアを辞職し、日豪で計3年間の修行の後、日本語教師となる。パース在住15年、日本語教師歴11年。ペンネーム「ブッシュウォーカー」。

 


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