パースエクスプレスVol.132 2009年1月号

 年も明け、パースもいよいよ夏本番を迎えた。青空が広がり、気温も上がるとなると、多くの人々は美しいビーチへと足を運ぶ。だが、ここ最近ちょっと物騒なビーチの光景が頻繁にメディアに登場している。昨年の12月27日にパース近郊の沿岸で男性が鮫に襲われて以来、パース郊外のビーチでも3メートルを超える巨大な鮫が数匹確認され、一時はビーチが閉鎖される騒ぎとなった。映画の『ジョーズ』を思わせる事件だが、地元の人々はどのように捕えているのだろうか。日本ではあまり見られない光景ではあるが、ここでちょっと紹介してみよう。  始まりは昨年12月27日、パース近郊のポート・ケネディ沿岸で51歳の男性がホオジロ鮫に襲われたことだった。そしてその4日後、同付近で4メートルを超えるホオジロ鮫が蟹獲りをしていた住民により確認された。年明け後の1月2日には、パース郊外のスカボロとフロリアット・ビーチ付近で3メートル級の鮫が数匹発見され、一時、ビーチが閉鎖される騒ぎとなった。パース近郊の海ではしばしば大きな鮫が発見され、通報されているが、今回のような一連の発見騒ぎは珍しい。「専門家によると、オーストラリア海域での人食い鮫の数は増え続けている(2008年12月31日、The Sunday Times、online)」といった見出しの記事中で、海洋学者や専門家は、現在、オーストラリアでホオジロ鮫等が法律で保護されているため、増えすぎていることを指摘している。 海洋学者のアダム・スミス博士は、初期調査と漁師やダイバーの話から、オーストラリア海域での鮫の増加を確信している。また、オーストラリア鮫類研究所のテリー・ピーク氏は、元々、鮫の食べ物である鮭類などが過剰に捕獲されたため減少し、餌を探しに沿岸に来るホオジロ鮫と人間の遭遇が増えることを警告している。
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