5月に入り、ここオーストラリアのメディアに頻繁に登場している話題というと、日本の捕鯨についてだろう。一時はテレビで毎日のように取り上げられていたから、気付いていた人も多いだろうが、一体、捕鯨について何が両国で起こっているのか。そこで、この捕鯨問題について気になる人に、その内容を簡単に紹介してみよう。ただし、この問題については個人的な意見も色々あると思われるので、筆者自身の考えを述べるのは遠慮させていただくとする。まあ身近の人に自分の考えを聞かれたら、何か言えるくらいにはしておいてほしいな。

今の若い日本人に捕鯨といってもピンとこないかもしれない。実際「捕鯨」という言葉すら知らない人もいるくらいだ。その昔、鯨の肉は学校給食に出ていたくらい日本では頻繁に食べられていた。しかし、鯨を取り過ぎることで、絶滅の恐れがあるということで、70年代にアメリカを中心に多くの国が捕鯨に反対し始めた。そしてまた鯨は利口な動物なので、殺すのは残酷だといった感情的な意見も出、日本の捕鯨に矛先が向けられ、日本は商業捕鯨を制止させられることになる。しかしその後、日本は国際捕鯨委員会を通じ、科学的な調査結果を元に、捕鯨再開を要求し、多くの年次会合を経て現在に至っている。そして5月30日より、韓国でまたこの国際捕鯨委員会の年次会合が開かれ、ここで日本は新しい要求を委員会に提出する予定だが、この内容について反捕鯨国のオーストラリアが猛反対しているわけだ。

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