日本でも医療問題はかなり深刻だ。特に勤務医師の絶対的不足が指摘されている。小児科や産婦人科医不足でお産もできないといった記事が、度々メディアに登場したのを覚えている読者もいると思う。では、なぜ日本では勤務医が不足しているのだろうか。簡単に言ってしまえば、勤務医は激務で過労死と直面しており、辞めていく医師が多いということだ。国の低医療費政策が改善しない限り、こういった状況から抜け出すのは難しいという。結局、国が医療にお金を出さないのが根本的な原因だ。両国を比べると、オーストラリアでは患者が長時間待たされ、日本では医師が長時間働かされるといった状況だろう。

医学や栄養学の進歩が人間の寿命を延ばしてはいるが、健康体を維持して生き続けているとは限らない。高齢者の多くは医者に診てもらいながら暮らしているのではないだろうか。今回の問題で考えさせられたのは、医者に頼ることになる以前に、個人がもっと健康を維持する工夫をしていかなくてはならないということだ。どこかで聞いたが、医者は病気を治す手助けをするだけで、治すのは患者本人だということだろう。なるべく病院の世話にならないように心掛けたいものだ。

*GP 一般開業医(ゼネラル・プラクティショナー)を示す。すべての分野の診察を行い、専門医の治療が必要な場合はここで紹介される。

<筆者のプロフィール>
東京生まれの元祖ワーホリ。日本企業のエンジニアを辞職し、日豪で計3年間の修行の後、日本語教師となる。パース在住15年、日本語教師歴11年。ペンネーム「ブッシュウォーカー」。

 


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