パースエクスプレスVol.124 2008年5月号

体の具合が悪くなり自己回復が困難になると、医者に診てもらうことになるが、すぐに医者からの治療を受けることができなくなってきているのがここ最近のオーストラリアの医療事情だ。予約無しでは受け付けてもらえず、緊急の場合でも、2〜3時間待たされるのも珍しくはない。まして、公立病院で手術を受けるとなると、特別な場合を除いて1、2年も先になることがある。ここパースでも患者の数に対する医師の数の不足、そして今では病院数の不足にまで至っているが、今回はこういった医療問題の背景を探ってみよう。

病院に行って、長時間待たされることにはイライラさせられるものだ。本や雑誌で時間を潰せる程度ならいいが、せめて2時間が限度だろう。患者数が増えれば、それだけ待ち時間も長くなり、それが日常化してしまう。ここパースの地元紙The Sunday Timesの特別調査によると、記録的な患者数の増大で、西オーストラリア(WA)州の医療制度が崩壊寸前であるとのことだ。もっと分かりやすく言えば、「WA州の公立病院の患者数はフリーマントル市の人口より多い(5月4日、The Sunday Times)」と強調されている。パースに隣接するフリーマントル市の人口は現在、約2万6700人であり、その数以上の患者が毎週、治療を受けているという。このことについて、公衆衛生協会代表のマイク・ダウベ氏は、「高齢化と人口の急増、そしてGP*不足や病院での医療技術の進歩が公立病院に患者を集中させている」と述べている。最近、パースでは住宅不足が問題となっているほど人口が急増しているだけあって、その影響が表面化したのかもしれない。現在、約17億6千万ドル(約1742億4千万円)を投入してパース郊外に新病院を建設、またこれまでの病院の改築、拡張工事が進行中である。これで将来、少しでも改善を見ようという試みだ。

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