承知の通り、日本では以前から核エネルギーが使用されているわけだが、その燃料となるウランはほとんど輸入されたもので、その33%がオーストラリア産(2004年、電気事業連合会)という。日本はエネルギー面でオーストラリアからかなり支援されていることになる。オーストラリア政府が更にウラン採鉱を手がけ、輸出を伸ばすとなると、その得意先の一つは日本といえるかもしれない。日本側からしてみれば、WA州でウランを採鉱し、北部の港から輸出してもらえば、大変都合がいいわけだ。しかし、自分がWA州の住民側として考えるなら、放射性物質であるウランが地上に露出してくるのはあまりいい気分ではないな。採鉱場所の近くにはアボリジニが住む地域もあるだろうから、彼らにしてみれば、迷惑なことだ。

核エネルギーの使用から新しいウラン鉱の開鉱にまで目を向けるオーストラリアだが、まだまだ議論は続きそうだ。新ウラン鉱の開鉱となれば、日本を初め、世界中から注目されるのは間違いない。ウランによる核エネルギー利用が地球温暖化防止の対策となるというが、筆者には、ウランをめぐり国内はもとより、世界で新たな問題が登場するといった懸念があるのだが…。

 

<筆者のプロフィール>
東京生まれの元祖ワーホリ。日本企業のエンジニアを辞職し、日豪で計3年間の修行の後、日本語教師となる。パース在住15年、日本語教師歴11年。ペンネーム「ブッシュウォーカー」。

 


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