パースエクスプレスVol.110 2007年3月号

ここ最近の一連のニュースと言えば、以前、汚職で失脚した西オーストラリア州元首相(ブライアン・バーク<1983−1988年>)に近づいて、辞任に追い込まれた政治家の話ばかりだったが、そんなニュースの裏で頻繁に登場していたのが、やはり地球の温暖化問題だった。テレビでも特番が組まれ、温暖化問題をわかり易く紹介しているものもあり、いよいよ緊急事態直前といった感じだ。今回は前号の続きとなってしまうようだが、最近、オーストラリア政府が、個人レベルで実行できる温暖化対策の方針を打ち出したので、ここで紹介しよう。
 3月5日現在、パースはまた熱波に襲われている。先週、季節外れの冷たい雨が続いたと思えば、突然40度を超える気温となるのはやはり異常だ。北部に発生しているサイクロンも大型化しており、前号で紹介した内容そのものとなってしまったようだ。今年は、これから一体どんな異常気象が襲ってくるのだろうか。
 さて、温暖化を防止するためには温室効果ガス(主に二酸化炭素)の排出を抑える必要があるが、オーストラリアにおいて現在、この温室効果ガスの主な排出元が火力発電所であるとオーストラリア政府は認めている。しかるに、発電量を抑えれば、温室効果ガスの排出量を減らすことができるわけだ。そして発電量を抑えるためには、電気の使用量を減らし、各世帯レベルで電気の使用量を節約することが必要となるが、この度「オーストラリア政府は、世界で初めて白熱電球の使用を段階的に廃止、制限する」(3月4日The Sunday Times)と発表した。これにより、2015年までに400万トンのガス排出(車にして80万台分)を抑えることができるという。「塵も積もれば山となる」といったところだ。白熱電球は、光とともに無駄な熱エネルギーの放出が大きいようだ。確かに小型の蛍光ランプを使えば、同じ光量で白熱電球の20%の電気使用量で済むというから、電気量だけでなく電気代の節約にもなるはずだ。日本ではあまり見かけなくなった白熱電球だが、オーストラリアではまだ白熱電球を使用している所が多い。トイレやバスルーム、ダイニングテーブルといった短時間で使用する場所での使用が主だろう。長い間、世に貢献してきた白熱電球も、時代の流れで悪者扱いとなってしまうわけだ。

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