AFLの各チームは地元の社会と密着しており、地域社会が一丸となってチームをサポートしている。その点では日本のJリーグに似ているかもしれないが、歴史の長さでは比較できないだろう。以前はフッティの選手だったという政治家やビジネスマン、そして彼らの両親や祖父母からも強力にサポートされているだけあって、やはり国民に浸透したスポーツと感じてしまうな。まあ日本でも、プロ野球の日本シリーズあたりがこのファイナルに近いと思われるが、野球に興味のない人にとってはどうでもいい、といった風潮がありそうだ。AFLの選手はもともとローカルのチームでプレーしているが、中には小さな田舎町から出てきた選手もいて、彼らは町全体からサポートされる、言わば、ローカルヒーローなのだ。そんなヒーロー達からなるチームだけあって、応援も半端ではない。AFLはドラフト制なので、他州のチームに引っ張られプレーする選手もいるが、数年後には地元に戻ってプレーするケースも多い。やはり選手と出身地の繋がりは強力と言えそうだ。

 10月3日にパース中心街で開催された優勝パレードには、2万5千人ものファンが集まり、ヒーロー達を祝福した。体全体で素直に勝利の喜びを表わし、ファン達と手を取り合う選手達の姿には、どこかほのぼのしさを感じた。怪我の治療のために、パレードに出られなかった選手もいたが、この超過激なフットボールを何年もプレーし続けるには、過酷なトレーニングを欠かすわけにはいかないのだ。筆者も、こういった努力と怪我の苦悩を克服してきた鉄人達を素直に祝福したい。「イーグルスよ、おめでとう!また来年もすばらしいプレーを見せてくれ。」

<筆者のプロフィール>
東京生まれの元祖ワーホリ。日本企業のエンジニアを辞職し、日豪で計3年間の修行の後、日本語教師となる。パース在住15年、日本語教師歴11年。ペンネーム「ブッシュウォーカー」。

 


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