2002年9

独立永住ビザ取得へのプランと柔軟性

 永住ビザ取得を試みる多くの方は「独立永住ビザ」の取得を計画されていると思われます。中には、卒業後にこのビザを申請する目的で大学のコースを受講されている方もいるのではないかと思われます。このようなプランを立てる事は非常に良い事ですが、果たして学位を取得したからといってビザ取得に直接結びつくかと言うと、必ずしも“YES”という訳ではありません。

  以前にもこのコーナーで紹介しましたが、「独立永住ビザ」申請にはポイントテストが採用されており、その合格点は現在115点となっています。例えば、職業リスト(Skilled Occupations List 以後SOL)の40、または50ポイントに相当するスキルを持っていたとしても、永住している親類がオーストラリアにいなく、また十分な職歴のない人にとってはこの40、50ポイントでは合格点を取ることは決して容易ではありません。やはり、職業スキルのカテゴリーでは60ポイント取得が不可欠となるでしょう。つまり合格点クリアのためには、60ポイントに相当するスキルが必要となるわけです。

  一般に60ポイントに相当する職業とは、SOLに記載されている経営者(Manager)、専門家(Professional)、および職人関連職(Trades Related Occupations)などが挙げられます(調理師のように准専門家にも60ポイントのものが多少ありますが、そう多くはありません)。

  職人関連業職では職歴がたいへん重視されますが、スキルズ・アセスメント(技術査定)を申請する際、それらを立証する証拠が必要となります。職人関連業職では全て60ポイント取得が可能となっており、もしこのカテゴリーの職業に従事し、職歴があるならばこの業種でのビザ申請は選択肢の一つとなりえるでしょう。

  この業種を査定する機関は、Trades Recognition Australia(TRA)と呼ばれているところで、TRAは連邦政府のDepartment of Employment and Workplace Relations(DEWR)の一部として機能しています。TRAの査定官の多くは、かつてこの種の職業に従事していた人達で、彼らはスキルズ・アセスメントの申請を下記の項目に基づいて査定します。

●資格+職歴   ●見習い+職歴   ●職業訓練中+職歴   ●十分な職歴

  申請を査定する際、TRAは査定申請者の職業に関するスキルが、オーストラリアで要求されるスキルと少なくとも同等か、それ以上であるかを判断します。例えば、美容師を例に挙げてみましょう。一般にTRAの要求する最低条件は資格を有する者で、少なくとも4〜6年の職歴があることとなっています。資格を有するとは、美容師としてのスキルに達し、それ以後職歴があるということです。例えば、ある人が学校を辞め美容室に就職し、働きながら訓練を積んだとします。この場合TRAは、この人のスキルが訓練を受けた美容師と同等まで掛かった期間に関しては職歴と認めておりません。ある日(Deeming Date)を境に十分に訓練された美容師並みのスキルを取得してから職歴として換算されます。今までにどんな訓練を受けどんな仕事をやり遂げてきたのかをきちんと証明するもの、それと雇用主の推薦状が重要となるでしょう。

2002年9月

※ 掲載されている記事は、執筆当時の情報となっておりますのでご了承ください。

近年、移民法は度重なる変更がされてきました。よって、最新の情報を得るためにもビザに関する質問や悩みなどは、専門家(ビザコンサルティング)にご相談することをお勧めします。




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