オーストラリアの市民権を取得するには？

　「オーストラリアの市民権を取得するには？」に関しましては、混乱されている方が多く、沢山の質問をいただきました。まず永住権をお持ちの方にとっては、いたって簡単です。過去5年間のうち、トータルで2年間（そのうちの1年は24ヶ月以内）オーストラリアに住んでいる方であれば、市民権を申請する資格が取得できます。そして、警察によって法的に証明された「良人」であること、基本的な英語力があること、オーストラリア市民としての義務や責任を理解していること、が条件になっています。それらの証明は、面接によって判断されます。ただし、50歳以上の英語力と60歳以上の市民義務の理解力は、必ずしも問われることはありません。 また、アメリカのように「国内で出生すれば自動的に米国市民権が得られる」というシステムと混同されている方がいるようですが、オーストラリアはそれとは異なるシステムをとっています。オーストラリアの市民権に関するシステムは以下の様になっています。

[1] 誕生による市民権について
a）子供が誕生した際に、両親のどちらかが、永住権もしくは市民権を取得している場合、その子供は法の上で自動的に市民権が得られます。 b）子供が誕生した際に、両親のどちらかが、永住権を申請中もしくは結果待ちである場合、その子供は自動的に市民権を得ることはできません。 c）両親のどちらかが、永住権を取得していない場合でも、その子供が誕生から10年間オーストラリアに居住していれば、子供には市民権が与えられます。

[2] 系譜による市民権もついて
子供がオーストラリア国外で誕生しても、18歳になる前までにオーストラリア領事館に出生届を提出すれば、子供は市民であると判断されます。ただし、両親のどちらかが市民権を取得していることが条件になっています。

　市民権を取得するには、この他にも様々な方法がありますが、詳しいことは専門家にお尋ねすることをお薦めします。

2002年3月

※ 掲載されている記事は、執筆当時の情報となっておりますのでご了承ください。