「写真修行の日々」−その4−

 生活費を稼ぐという些細な動機が出発点だった。それが、想像していた以上に写真にのめり込んでいった。どうして写真を撮るのか。また自分は、社会とどのような関係をもって生きていくのか。そんなことを写真を撮りながら考え始めていた。毎日写真と付き合うにつれ、次第にその疑問の答えが見えてきた。写真を撮るとは、まず具体的に行動を起こすことだ。そのために、現場の最前線に立たなければならないんだ、と。
 一見便利になった世の中、実は不便になっているのではないか。コンピューターやインターネットの技術革新が進む程、その便利さは人間の持つしなやかさを侵食しているのではないか。先月まで、写真を撮るという視点を基準にして、そういう疑問を書き綴ってきた。


  では、自分が写真を撮る、その「視点」をどのようにして修得していったのか。その一つのヒントを今、振り返っている。が、しかし、今はそう簡単に書くことができるものの、写真の修業時代は必死だった。いい写真を撮りたい。では、自分にとっていい写真とは何なのか。自問自答の繰り返しの日々だった。
 


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