ここ最近、しばらくメディアを賑わしていた話題といえば、8月末に米国を襲ったハリケーンだったのではないだろうか。ハリケーン「カトリーナ」がニューオリンズに多大な被害をもたらし、その対応に遅れた米政府は叩かれ、その上に他国から援助を受けるといった始末。先進国といわれる米国が、弱点を世界に披露してしまったわけだ。ハリケーンの犠牲となってしまった人々について知らされるのは、本当に悲しいことだが、そんな時に筆者の頭を過ぎるのは、日本人犠牲者の有無である。これは筆者が国外で暮らしていることもあって、海外では自分の身は自分で守らなくてはならない、ということを痛感しているからだ。

このところ、しばしば天災、テロ等により海外で命を落とす日本人についてのニュースを知らされる。9月3日には、アフガニスタンで射殺された日本人教師2人の遺体が発見され、10月1日には、バリ島での爆破テロで日本人観光客が犠牲となっている。そこで、亡くなられた人には気の毒だが、多くの場合、被害を避けることができたのではないか、ということだ。そして、日本人の海外に対する認識の甘さが原因にあげられるだろう。イラクやアフガニスタンが現在、最も危険な状態にあることは子供でも知っているが、なぜ一般人が無防備で入っていくのか。冒険のつもりなのだろうか。テロに対しても同様だ。危険な地域というのは概ね予想がつくわけだし、政府から情報が出ていることが多いから、そういった場所に近づかないことだろう。

今回のバリ島爆破テロで、またオーストラリア人の犠牲者が出た。3年前の爆破テロではパース出身者が多数、犠牲者となったが、その後平穏となり、安全な観光地に戻ったかのように思えたバリ島だったが、認識が甘かったようだ。毎年多数のオーストラリア人が訪れるバリ島であるだけに、テロも2回目となるとかなりショッキングだ。10月4日現在、オーストラリア政府は自国民にバリ島から避難するように呼びかけ、臨時便まで運行させている。

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