パースエクスプレスVol.138 2009年7月号

 日本では、かつてベトナム戦争終結時にインドシナ半島からのボートピープルを受け入れたことがあるが、近年、ボートピープル漂着は確認されていない。しかし、今後、考えられうるのは、中国、北朝鮮から漁船に乗ってやってくる人々だろう。これらの国の情勢によってはボートピープルが発生する可能性は十分にある。日本もそういった事態に備えて、しっかりした対策を考慮しておくべきだろう。何万という人々が押し寄せてきてからでは遅いのだ。

 最近のボートピープルの傾向として、難民を装って亡命を試みるケースが多発している。密航の請負人が真の難民とともに送り込むという。オーストラリア政府もこういった請負人の摘発に躍起になっているが、6月30日には11人のインドネシア人が密航の請負人としてパースで有罪判決を受けた。今後、こういった請負人を通じて、オーストラリアに流入してくる亡命希望者数は予想できないという。インドネシアにある無数の島から出航するボートをすべて発見するのは困難だろう。今後、ラッド政府がこの問題にどう立ち向かっていくのか。人道的対応が裏目に出なければいいのだが。

<筆者のプロフィール>
東京生まれの元祖ワーホリ。日本企業のエンジニアを辞職し、日豪で計3年間の修行の後、日本語教師となる。パース在住15年、日本語教師歴11年。ペンネーム「ブッシュウォーカー」。

 


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