パースエクスプレスVol.135 2009年4月号

豪日の時事問題を中心にお届けしてきた『こんにちのごうにち』が、今回で50回目を迎えます。この場を借り、愛読して頂いている読者の皆さま、そして執筆者のブッシュウォーカー氏にお礼申し上げます。
パースエクスプレス編集部より

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おそらく世界のどの都市にも娯楽、ナイトスポット地区が存在すると思われるが、ここパースにもノースブリッジをはじめとするナイトスポットが点在している。平日はそれなりの賑わいを見せているが、週末となると、若者を中心に多くの人々で盛況となる。しかし、ここ最近、こういった地区で飲酒やドラッグによる若者たちの暴力事件が多発しており、警察や酒場の経営者たちを悩ませている。たまりかねたナイトクラブやバーの経営者たちは、暴漢を締め出すため、共同して指紋スキャナーを導入することで話が進んでいるという。今回はこの装置の導入に至る背景について紹介しよう。

どうも人間はアルコールにより自制心を失いがちだが、これが暴力や犯罪に結びつくところまで発展してしまうと、事が厄介になってしまう。特にエネルギー有り余るここの若者たちはアルコールで暴走し、暴力集団と化してしまうケースが多い。4月3日(金)の夜間、パース内のナイトスポットで計36人もの逮捕者が出た。一夜でこれほどの逮捕者が出るとなると、ナイトスポットも危険地帯となり、まともな一般市民も近寄りがたくなってしまう。飲食店ビジネスへのダメージも増大することは目に見える。こんな状況下、「パブなどの経営者たちは、前歴のある暴漢の入店を避けるため、パース内のナイトクラブや深夜に営業しているパブ間をネットワークで接続が可能な指紋スキャナーの共同購入を目指している(4月5日、The Sunday Times)」といった対策が実施されようとしている。 このスキャナーの使用により、問題者が入店を試みようとして、スキャンされた時点で他の店にも通報され、この問題者は他の店にも入れなくなるという仕組みだ。

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