現在、日本は原子力発電用にウランを輸入しており、その約30%はオーストラリア産ということだ。もし新政府によって、WA州でのウラン採鉱、輸出が始まれば、日本への輸出量も増えると考えられる。オーストラリアにとって、日本は良いお客さんとなり、日本もオーストラリアから恩恵を受けることになる。ビジネス上ではうまくバランスがとれるわけだが、こと環境面ではどうなのだろうか。かつて、オーストラリア国内の森林伐採で環境破壊問題が浮上したが、その木材の主な輸出先が日本であった。ビジネスを優先させたがために起こった問題だったが、今回のウラン採鉱にしても、どこか似ているような気がしてならない。

現在、「WA州は18万トン、価格にして約500億ドル(4兆4000億円、A$1=88円)のウランを保有しており、更に調査が進めばその2倍以上は発見される(9月15日、The West Australian、on line<オーロラ・ミネラルズ社の調査資料より引用>)」という。経済推進を試みようとする新政府の考えが分からないではないが、せめてウランが作り出す金の一部を将来期待される地熱発電やトリウム炉の開発といったものに回す、といった考えはないものだろうか。

<筆者のプロフィール>
東京生まれの元祖ワーホリ。日本企業のエンジニアを辞職し、日豪で計3年間の修行の後、日本語教師となる。パース在住15年、日本語教師歴11年。ペンネーム「ブッシュウォーカー」。

 


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