日本でも、散歩、歩行は健康のために奨励されている。効能としては、肥満防止、血圧低下、骨粗しょう症の防止といったものがよく取り上げられているが、1日に1万歩が目安とされている。1万歩というとかなりの歩数なので、なるべく日常生活で歩行をしなければならないことになるが、今回の報告で、20分の歩行でも脳を十分に刺激できるというのなら、忙しい人にもできそうだ。

人間が本来の人間らしい生活習慣に戻ることで改善する現代病は、たくさんあるだろう。心臓病や糖尿病などは、運動不足と栄養過多が原因となることが多いわけだから、もっと運動を取り入れ、粗食を心がければ改善するはずだ。歩行は人間の基本的活動であるが、これさえも制限してしまえば、体に支障をきたすのは想像しうる。「健康は足から」ということをよく耳にするが、今回の研究発表で、正にそれが脳の健康においても確定的になったのではないだろうか。若いのに運動しないで部屋に閉じこもっている者は、脳の老化も早いかもしれないな。ひょっとすると40歳台でアルツハイマーや痴呆を患う時代が来ないとも限らない。

<筆者のプロフィール>
東京生まれの元祖ワーホリ。日本企業のエンジニアを辞職し、日豪で計3年間の修行の後、日本語教師となる。パース在住15年、日本語教師歴11年。ペンネーム「ブッシュウォーカー」。

 


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