パースエクスプレスVol.117 2007年10月号

パースからマンジュラまでを電車で繋ぐ、マンジュラ線の開通が間近に迫っている。このプロジェクトはパースに初の地下鉄を取り入れた大掛かりなものであったため、完成時期が大幅に変更されてきた。そんな中、10月7日から14日までの1週間、マンジュラ線とパースの北に延びるジュンダラップ線を結ぶ大工事が行われ、ジュンダラップ線の一部とフリーマントル線の電車が終日運休となり、その他の路線についても時刻表に多少の変更があった。今回は、政府がこの工事による電車の運休が乗客に与えた影響をどのように対応していたのかをみていこうと思う。

まず工事が開始される数週間前から、今回の工事についての告知が、駅の構内や電車の中、またメディアなどで行われた。次に、運休になる路線では、乗客の輸送が代行バスの運行によって補われた。これにはトランスパースが所有するバス以外に民間のバスも使われ、パース駅の周りに十数台以上のバスが並ぶような時間帯もあった。ここまでなら一般的だが、政府が提案した乗客自身の対応方法として日本人にはユニークなものがあったので列挙しよう。「近所に住んでいて、車で仕事に向かう同僚に一緒に乗せてもらい車中の会話で親交を深めよう」「倉庫に眠っている自転車を取り出して、この機会にこれから始まる夏に向けて体力をつけよう」「仕事場までウォーキングで行き、1日を爽やかな気分でスタートしよう」「仕事場の近くに住む友人の家に数日泊まらせてもらおう」さらに、「この機会に有給をとって、子どもとの時間を作ろう」などといったものもあった。どれも、スポーツ大国で社交的なオーストラリア人らしい発想である。

今回の告知を行い、目的地まで普段以上の時間がかかることに対しての理解を呼びかけていた政府だったが、工事の最中に思わぬハプニングもあった。工事開始後初めての平日の朝、ジュンダラップ線の電車が運行しているはずの範囲で信号装置の故障があり、電車が動かなくなってしまった。

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