一方、オーストラリア側の反応は日本とは対照的だ。メディアは比較的楽観的で、グループリーグ突破は可能で、グループ最下位は日本といった論調が多い。国内での勝敗掛率(www.ozbet.com.au)を見ても、オーストラリアが日本をリードしており、勝ってほしいといった期待もあろうが、多くの国民が日本には勝てると信じているようだ。メディアには一般的に同グループのブラジルやヨーロッパチームの情報が多く、アジア、アフリカ地域のサッカー情報はあまり出ていない。日本チームについての記事も一般の新聞、雑誌には少ないが、日本のサッカーは常に進歩しているといった内容の他、ジーコが監督であること、注目の選手として、ヨーロッパでプレーする中田、中村の名が挙げらる他、新戦力として巻や玉田なども紹介されている(西オーストラリア最大手の新聞The West Australianの別冊付録“WORLD CUP‘06”より。6月1日発行)。メディアは王者ブラジルとの一戦に注目し、多くはクロアチアとも互角に戦いグループ2位に滑り込むといった内容だ。しかし、監督の目は違う。前大会で韓国代表をベスト4まで導いたフース・ヒディンクとあって、日本チームを熟知しており、グループ最下位とされる日本を決して甘く見ていない。恐らく日本がどういった戦いを挑んでくるのかは分析済みだろうが、厳しい戦いとなることを予想している。「日本は死ぬ気で戦いをするだろう」といったコメントからも、この一戦が全てであるといった心境がうかがえる。辛口の記事には、日本に負ければオーストラリアのワールドカップキャンペーンも終わりといったものもあり、両国にとってこの一戦が「天下分け目」となろう。

 この記事を読まれる頃にはこの「一戦」は終わっているだろうが、筆者自身も互角の勝負とみている。両国の特徴を挙げるなら、日本のコンパクトな高速パスワークと得点源となるセットプレー、オーストラリアの力で突進する突破力と相手ディフェンスの裏をかくロングボールだろう。しかし、勝敗は別として、両国民が注目する大試合であるだけに、これを機会に両国の親善が更に深まることを期待している。頑張れ日本!頑張れサッカルー

<筆者のプロフィール>
東京生まれの元祖ワーホリ。日本企業のエンジニアを辞職し、日豪で計3年間の修行の後、日本語教師となる。パース在住15年、日本語教師歴11年。ペンネーム「ブッシュウォーカー」。

 

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