伊達親父の新米父親コラム「父親になった俺様」

 先日、学校教育現場に於ける学級指導方法に関する講習会に参加してきました。その講義の中で例に出た話を紹介します。

 三歳の子供が家の前でボールで遊んでいます。そして、そのボールが道路の向こう側に転がって行ってしまいました。当然、子供は道路に出てはいけませんと教わっているにもかかわらず、道路に飛び出してボールを拾いに行きます。それをあなたが偶々見ていたならどうしますか。
 大抵、普通の親はピシャリとおしりの一つも引っ叩いてこう言います。「いつも道路に飛び出したらダメって言ってるでしょ!」もちろん、激しく怒られれば子供は泣いて謝ります(というか、普通の子供ならそこまで厳しくしないと言うことは聞きません)。 さあ、ここで質問です。十分後、またしてもボールが道路に転がってしまいました。一体この子供はどうすると思いますか?ここで「また道路に飛び出す」と答えたあなた、子供を信用しなさすぎです(ある意味正解ですが)。また、「お母さんを呼びに行く」と答えたあなたは、現実を知らなさすぎます。正解は「ゆっくり歩いて道路を横切る」です。お分かりでしょうか。

 講習会では「子供には何をしてはいけないのかを明確に提示しましょう」という話の例として使われたのですが、私がココで何を言いたいのかというと、子供の理解力とは所詮この程度、ということです。三歳どころか十歳くらいの子でさえ、まだこの程度の子供は結構います。ですから、二歳以前なんて言ったら全然訳が分からないでしょう。とにかく最初は意味がわからなくても、習慣として言い聞かせて身につけさせるしかないですね。コレをやったら怒られる、と。
 ただ、言葉はあまり分からないはずなんですが、なぜかちゃーんと言うことを理解するんですね。それは表情です。子供は表情を読み取るのが非常にうまい。例えば、あなたがあまり言葉の通じない外国で人と話をする時はどうしますか。話し方の強弱や顔の表情で相手の感情や態度、時には人格まで判断しようとしますよね。それと同じです。
 子供は常に親の顔色を伺っています。つまり、それはこういうことをしたら怒られるかな、ここまではどうかな、というのを確認する為だそうです。逆に言えば、この時に大人からのしっかりとした信号、つまりコレとコレはやってはいけない、というはっきりとした意思表示がないと、子供はいつまでたっても物の加減が分からない訳です。その為には「弟のことを叩いたら、十分間部屋の隅に黙って立っていなければならない」とか、明確に決めておく方がいいそうです。当然、どうして弟を叩いてはいけないのか、まず説明しておかなければなりませんが。
 それから、もうちょっと細かいことを言うと、特にアイコンタクトというのは非常に重要だそうで、子供を叱る時も言い聞かせる時も、ちゃんと目を見て説明する。逆に言えば「いつもお前のことを気にかけているからね」という子供との相互の信頼関係を作る意味もあります。

 さて、ここでもう一つ大切なことは、あまり感情的に怒ってはいけないということだそうです。理由は、子供への親に対する信頼感を失わせない為だそうですが、私が思うに、物心がつき始めた頃に感情だけで怒ってしまうと、その行動に対して親が気に食わないことをしたから叱られているのか、それともその行動自体が自分の生活の中で誰かに迷惑をかけることだから叱られているのか、もしくは自分にとって有害だからなのか、混乱してしまうからなのではないでしょうか。
 もし、その行動に対して子供が「単に親が気に食わないから」という理由だと思えば、当然子供は理不尽だと思って感情的に反発しますし、そのうちに同じことを親の前ではやらなくても、他でやるようになります。つまり「家ではゴミを散らかしてはいけないけど、公園ではいいんだ」ということになってしまいます。そして、それに気がつかない親はこう言います。「ウチの子がそんなことを?マァ、信じられませんわ。だってウチではあんなにいい子なのに...」

 …とまあ、なんか今回はイマイチだらだらと色々と習ったこととか、その他諸々を思いついたままに書いたけどな。どう思うよ?別に俺様は叱り方の専門家でもないからそこまで詳しくは知らないけど、やっぱり効果的に叱るテクニックと言うのはあるんだろうな。そうだ、またしても思い出したが、これって、会社で自分の部下や新入社員を叱る時のテクニックも同じだったような...。アディオス!



★家の廊下に立たせる、押入れに入れる、昔から罰として子供を隔離するという方法が取られて来ましたが、最近のトレンドとしては、①ルール違反はどのような罰があるのか最初に明確にする。②なぜ自分が悪かったかを言葉で再確認させる。③二十分なら二十分と時間を決めて、それを宣言してから隔離する。それから、④厳しく叱って罰を与えた後に子供から普通に話しかけてきた場合は、ちゃんと普通どおりにやさしく接する。といったことが挙げられます。お試しアレ。



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